有名デザイナーのデザインした製品はその多くが高価です。そうした製品のデザインは、意匠権と呼ばれる、製品のデザインを保護する権利によって独占が保障されていますが中には意匠権の保護期間が既に満了となっている製品もあります。 リプロダクト品は意匠権によるデザインの保護期間が満了した製品を正規メーカー以外の会社がオリジナルに忠実なデザインで復刻生産したもののことを指します。リプロダクト品の特徴として挙げられるのは価格の違いです。開発費用をはじめとした初期投資のコストをリプロダクト品では抑えることができ、それが低価格での販売につながっています。 日本国内には似た仕組みの製品としてジェネリック医薬品があります。特許権の切れた新薬を同じ有効成分で再現してより低価格で販売しているジェネリック医薬品のように、リプロダクト品もオリジナル品のデザインを低価格で再現しています。

意匠権を中心とする製品デザインを保護する権利が満了したデザインは国民の共有財産として扱われます。優れたデザインの、しかし高価な製品をリプロダクト品として低価格で復刻生産することによって多くの人がより気軽に良質なデザインに触れられるようにする、というのがリプロダクト品を生産する原動力となっています。 そして、その際に欠かせないのがオリジナル品へのリスペクトです。オリジナル品と同じデザインを持つリプロダクト品を生産するためにはオリジナル品への深い理解が必要となります。それは見た目などの表面的なものに限りません。製品が誕生した歴史的背景やデザイナーが込めた願い、現代にいたるまでのオリジナル品の辿ってきた道程などあらゆる角度からオリジナル品を研究することで初めてオリジナル品に忠実な製品を生み出すことができるのです。 私たちは、こうしたリプロダクト品を紹介することを使命と考えています。粗悪なリプロダクト品を通して、「なんだ、こんなものか」という評価を、正規品に植えつけてしまってはいけないと考えています。

私たちは、正規品の価値を伝えるリプロダクトチェアをいつも探しています。 見つけたチェアに「試尻」(購入して座ることです。シシリーと呼んでいます)して、見た目だけでわからない品質を確認しています。